ほんまかいなシリーズ 48  最初の丸太でツルッとスベリ・・・骨折の巻き

信じられないが、ホントにあった愉快なドキュメント!
ほんまかいなシリーズ 48 
最初の丸太でツルッとスベリ・・・骨折の巻き

 事件当時は、ほとんどの休日も研修会で忙しくしていた。 なので、研修会のない日には、車で二人の子供達を連れ様々なところへ出かけるのが定版だった。 

その日は7月始め頃で、ガイドブックで調べた「奈良の生駒、信貴山と周辺のドライブがてら周辺散策」を予定。 
 知ってるはと思うが、当家はとにかく出かける時刻が早い・・・最初の目的地の
「フィールドアスレチック」に到着するも、まだ開園前。 早朝なので草木には「朝露」が残り光って見える。 しばしの待ち時間を経て、開園を見届けたので入場料を支払いいざ園内へ・・・。
 

 さて最初に見えたのが「斜めに横たわる太い丸太」その上を歩いて渡るという設定のようだ。 当然私が先頭だ! 
何しろ幼い子供達に手本を見せないとあかんからな~。 

 身軽な私が記念すべき第一歩を丸太にヒョイと乗せた!・・・その瞬間“ツルッ”とすべりバランスを崩した。

 直後、反射的に左手に持っていた
「ビデオカメラ」をかばい地面に左手の挙を衝いた。 
その瞬間「ビーン」と脳天まで突き抜ける衝撃が・・・。 
どうやら、丸太に残った朝露の水滴にすべってしまったようだ。

写真は、ネット検索で表示された現在の写真。当時の記憶とは異なるようだ。 

さて、体を起こした後に、おそるおそる手の屈伸をやってみる。 

痛みは全く無いが、指を曲げ伸ばしの際に、左薬指に続く手の甲の部分から


“ポキッポキッ”と音が聞こえる・・・
“あ~っ、折れている~” 私は妻に報告する・・・ 
”骨が折れちゃった様だ・・・さあ、帰るぞ!” 

 もう遊んでいる訳には行かない・・・今は全く痛みが無い、

だが2時間程たった頃から出始める症状・・・
猛烈に疼くような痛みになるかもしれない?
その事を専門家である私はよく理解している。 
帰りの車の運転の事もある・・・痛みが出てこないうちにサッサツと帰えらなければいけない。
園内を早足で・・・ただ一周歩き回った後、帰路に・・・。

※骨折の豆知識①・・不思議に思うかもしれませんが、
 骨折した直後は、場所にもよりますが力は当然落ちています。
 ところが「局所の痛みが全く無いものです。 
 しかし、2時間ほど経ってから痛みが出始め、ドンドン痛みがひどくなり、 
 その晩は骨折した局所が疼いて、大体朝方まで眠れないのが一般的です。 こういう症状の際は、骨折と思って先ず間違いないでしょう。
 皆さんも覚えておきましょう。
 
 ※骨折の豆知識②・・・整形外科のX線検査では、希にですが
 X線照射角度が骨折部分と合わない、ズレている場合があります。
 ・・・つまり骨折したラインと平行にX線照射がされない場合は
 「骨折ライン」が映し出されません。その際は骨折していても
 「骨折では無い」と診断される場合が希にあります。
 これも注意が必要です。
 

不幸中の幸いと思えるのが「折れた私が、その専門家だったという事」・・・ホントに私で良かったと思いました。

さて、右片手運転での帰路途中に検問に引っかかる。 この事情を話した警官は
”大丈夫ですか・・・?気をつけて帰ってくださいね” という気遣いをいただいた。

帰宅後、さてどこでX線撮影を・・・思いついたのが「休日診療やっているキリスト病院」そう当院の近くだ。 
受付にて私の身分は明かしていたので、X線撮影後の担当の先生からの言葉はこうだった。

 

やはり骨折していますね!
先生、どういたしましょう?・・・
こちらは、あなたの望みどおりに
いかようにも、やらせていただきますが・・・?”

私は ”友人の先生にお願いしてみます。電話してもいいでしょうか?” ・・・
先生の了承を得てその場を後にした。 そして懇意にしているM先生に連絡し整復と固定をしていただきました。

 さあ翌日からの診療スタイルは・・・
左手はギプス(正確には副子固定)をして、その手を三角巾で吊っている。 なので当然右手だけで患者さんに治療をしていた。 つまり、右手だけで患者さんを「指圧、マッサージ」右手だけで「鍼を打っていた」

 

 その患者さんの中には、私の痛々しい姿で受ける施術にたまりかねたのだろう・・・その施術途中に ”先生、もう~いいわ!”と、同情する人も・・・。 その帰り際に患者さんから”お大事に”と言われた。

 

 さて研究熱心な私である、実際どれぐらいの期間で癒合(骨がくっつく事)するのだろうという興味があった。 

ある期間経た日 ”もう・・・引っ付いたかな~?”と自分で包帯を外して、少しだけ患部を押してみる・・・。

すると、ピシッと小さな音が・・・”あっまだだな~”

骨折後、癒合(引っ付く)する迄年齢的な差があるので、非常に興味があった。
気がついたら、しょっちゅうこんな事を繰り返していたのだ・・・。
そしてある日思った ”いつ迄も、こんな事をしていたら・・・ホントに付くかなくなるぞ・・・もう、いい加減にやめなくては” と・・・。


 骨折の豆知識③・・斜骨折は長期の固定が必要。
 今回の私の骨折は「ラセン骨折=斜骨折」とい
 い骨の長軸に対し骨折のラインが斜めに捻れた
 状態で、ズレやすくガチッと噛み合いにくい。
 なので癒合迄の期間(固定)が長くなるのだ。 
   

 1つ心残りな事が事がある、この骨折の場合、たとえキレイに整復しても骨同士が噛み合いにくく、どうしても骨同士がスベッてしまい、最終的に少し短くなってしまう事だ・・・私の場合もまさにそうであった。私の場合も固定期間を2倍程かけて治癒した。
 
「回想録今、振り返ると、あの時は入場料4人分払い、最初の丸太にたった1歩足を乗せ、それですべってしまったのだ、他には全く施設を利用していない。 そして滞在時間も超短い!国会議員が顔負けの、たったの5分ほど。 
そうなると、払った入場料にもどうも納得のいかないという想いが、この記事を書いてたら、今急に浮かびあがってきた。

皆さんも、早朝の朝露には注意が必要です。たとえアスレチックでなくとも、近所の公園の木や鉄製の物でも起こりえます。 特に子供達は、少しスリルあるもの、スリルある事がおおむね大好きですから。 又、その危険度もわかっていない場合が多々あります。よく言い聞かせるておく事が大切です。
 

『ほんまかいなシリーズ』は全編で60作以上。あり得ない奇想天外、愉快な実話を集めたノンフィクションシリーズ。 HPブログにも月1~2話程度のペースで追加掲載中。
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